家庭犬たちにとって、健康維持のためにもお手入れはとても重要なもの。
ですがやり方によっては、触られることや拘束されることを嫌いにさせてしまうことがあります。
ここでは家庭犬に必要なお手入れについてと、お手入れを嫌いにさせない練習方法について伝えていきます。
■家庭犬に必要なお手入れにはどんなものがある?
・目元をふく・・・目やにや涙やけのケアのために目元を拭くこと。
・歯磨き・・・歯石をつけづらくするため、歯茎の健康のためにも歯磨きができること。
・耳掃除・・・家庭では指の届く範囲だけでも汚れを拭き取ることができること。
・手足の汚れを拭く・・・お散歩から帰宅して足の汚れを落とす際にタオルなどで手足を拭けること。
・全身を拭く・・・雨などで体が濡れてしまったときに全身体をタオルでふけること。
・全身のブラッシング・・・汚れやゴミを落としたり、毛のもつれを取るためにブラッシングできること。
こうしてみると様々に必要なお手入れがあり、顔周りから手足、全身をくまなく触れることが重要なことがよくおわかりいただけるかと思います。
■犬たちは基本的にはお手入れされることは好きではない。
犬たちにとって人からされるお手入れは、基本的にはじめから印象の良い物ではありません。
得に敏感な顔周りや体の末端を触られることは、嫌がることがあたりまえと思って上げたほうが良い対応をしやすくなります。
目的は「目元を拭くこと」、「手足を拭くこと」だったとしても、なんの事前準備もなくお手入れをはじめてしまうと、犬たちに嫌がられることが多いことを覚えておいていただきたいのです。
犬たちは予測がつくことは安心して受け入れやすいのですが、突然のことには不安になりやすく、お手入れも例外ではありません。
目的は一度置いておいて、まずは犬たちが安心してうけいれるよう、触ることや拘束することへ良い印象を与えながら慣らしていくことをしていきましょう。
■お手入れを目的とした拘束とタッチング
お手入れをするにあたって、体を拘束したり、体に触ることに慣らしておく必要があります。
ここをクリアしなければお手入れを嫌がらずに経験させてあげることはできないでしょう。
自分から膝の上に乗ることを誘導したり、お手入れする台の上で美味しいおやつを与えたりと、まずは抱き上げやお手入れをする環境に良い印象を持たせてあげることからはじめていきます。
抱き上げがスムーズになったら、次に慣らしたいのが拘束です。
マズルや手足を捕まれることを、短い秒数からこまめにご褒美を与えながら慣らしていきます。
そしてようやくタッチングです。
拘束したお手入れの必要な部分に触れて、ごほうびをあげることを繰り返していきます。
■道具に慣らす
これまでの練習の中では、お手入れに必要なティッシュやコットンやタオル、ブラッシングは一切出てきていません。
抱き上げ、拘束、タッチング。
ここまでがスムーズにできるようになってから、いよいよ実際の道具を体に近づけることを慣らしていくのです。
はじめは匂いを嗅がせ、道具を確認させてから、体に触れさせていきます。
このときも犬の反応を見ながら、受け入れられる範囲で作業を進め、こまめにご褒美をあたえることが大切です。
こうして見てみると、結構な行程が必要です。
ですが、これをしないままに嫌がるのを無理矢理お手入れしてしまっていると、お手入れ嫌いが進み、体に触らせないほどに暴れたり噛んだりという問題に発展してしまうこともあるのです。
犬の年齢にもよりますが、パピーであればその後の10数年のために「急がば回れ」をしてあげたほうが、その後10数年がお互いとても穏やかにお手入れを進めることができるのです。
もしすぐにでもお手入れが必要!という場合は、ご褒美をかじらせながら作業を進めたり、エネルギー発散を十分にしてから、安心しやすい姿勢で行ってあげるなど、できる限り嫌がる経験をさせないよう配慮してあげてほしいのです。
ぜひその手間暇を惜しまずに練習してあげてくださいね♪