「犬と一緒に寝る」
犬好きにとっては至福のひとときですよね~。
あのふわふわの柔らかな体を抱きしめながら寝る時間♡♡♡
これに憧れて犬と暮らす飼い主さんも少なくないはず。。。
でも「犬と一緒に寝てはいけない!」
みなさんもどこかでこんな話を見たり聞いたりするこはありませんでしたか?
果たして本当にそうなのか、なぜ一緒に寝てはいけないと言われるのか、その理由について正しく知っている飼い主さんは少ないようです。
そして家庭環境によって、わんちゃんの気質によって、飼い主さんとの関係によって、みんな同じではないので愛犬家の飼い主さん同士で話しても正解などは見つかるはずかないのです。
しつけトレーニングと同じようにわんちゃんの管理の仕方や関わり方はそれぞれに違うことのほうが当然なのです。
とはいえ管理やお世話の中でルールを決めるための明確は基準はあります。
どんな子だったらOKとかどんな子だったらNGということが分かれば、うちの子にどんな管理や関わりが必要なのかが見えてくるのではないかと思います。
■一緒に寝ることが問題になる場合と問題にならない場合
犬が飼い主さんが自宅にいるのを分かっていても、サークルやゲージ、係留などの限られた場所でいつでも落ち着いて過ごすことができる子は一緒に寝ることがあっても問題にはならないでしょう。
飼い主への依存度の問題です。
「お留守の時はサークルやゲージで過ごしているからよいのでは?」という方もいらっしゃるのですが、留守番の時にはいくら吠えても鳴いても飼い主さんが戻ってこないことを学習しているので、在宅中の管理された状態とは別なのです。
相談に来られる飼い主さんの多くは、飼い主の在宅中はフリーにして過ごさせていますという方が多いです。
フリーの時間を持てるのはよいことなのですが、飼い主の在宅中には完全フリーというのは問題です。
例えば家族の食事中、掃除や来客など一時的に犬にサークルやゲージにはいていてもらうということが習慣化されていなければ、飼い主が在宅中に限られた環境で落ち着いて過ごすという学習はしていないわけです。
そうすると飼い主が在宅中はフリーで過ごすというのが犬たちの当たり前になり、限られた場所で過ごすことがストレスと感じるようになっていきます。
これは飼い主が犬の過ごすスペースを管理出来ていない状態です。
限られたスペースですごすということともう一つ、ここには課題が隠されています。
それは飼い主から離れていても落ち着いて過ごせるかどうかです。
限られたスペースで過ごすことにプラスして、犬の気質として飼い主への依存度の高い子であれば、問題は複数に絡み合っていきます。
これが大きいと分離不安という状態です。
特に飼い主への愛着が高い傾向にある子が、在宅中は飼い主さんとはいつも一緒で常に体がくっついているような、いつも後ろを追いかけているような状態で関わりが密接すぎると、飼い主と離れることがさらに辛く耐えがたいものになってしまいます。
その場合はスペースの管理という意味でも、飼い主への依存度を減らしていくという意味でも一緒に寝るという習慣はなくしてあげたほうがいいのです。
■飼い主と一緒に寝ても良い数年後を目指して
ここまでに書いたようなことがないのであれば、一緒に寝ることが問題になることはないでしょう。
仔犬を迎えた際や、成犬でも新たに迎えてから1~2年は一緒に寝ることはオススメしていません。
まだルールや関係性が整っていない中で、犬たちを混乱させてしまうことや学習を妨げてしまうことに繋がるからです。
数年後にもっと穏やかに一緒に過ごせることを大切にして、目先の快楽よりも長い目でみた良い関係や幸せな暮らしを目指していける飼い主さんが増えてくれたら分離不安の問題を抱える犬たちも減っていくと思うのです。