「犬は叱って叩いてしつけるものだと思っていた」トレーニング方法の違い

シェアする


「犬は叱って叩いてしつけるものだと思っていた」トレーニング方法の違い

今年ペットの専門学校を卒業して動物病院へ入社し、新米ドッグトレーナーとなった

2名の女の子たちの育成に関わっています。

どちらも専門学校で犬のしつけトレーニングを学び入社した子たちですが、実は専門学校によってトレーニングの手法や教える先生の考え方などは様々です。


■ペットの専門学校、こんなに違う!

昔ながらの「強制訓練」や「服従訓練」と呼ばれるやり方を指導している学校は非常に多く、そういったところでは、主に訓練所の訓練士が指導していることが多いのです。

それとは180度違う考えを持ってドッグトレーニングの指導を行っている学校もあります。

「家庭犬のしつけトレーニング」を目的として指導を行っている学校では、より人と近い位置にいる犬たちとのパートナーシップという関係性を大切し、行動学や学習理論とあわせながら体罰を使わずに行動を教える方法や問題行動を改善していく方法を教えています。

私が今育成に関わっている子たちは、体罰を使う訓練を学んできた子たちです。

これまで学校で教わってきた、力で支配する強制的な訓練とは違う、トレーニングの理論や情報にとても驚きながら興味を持って学んでくれています。

学校の実習で扱った犬たちへの対応や学習がなぜ思ったように進んでいなかったのかも、明確に判ることがとても興味深くおもしろいようです。

■理論があるから客観的に見ることができる

昨日は学習の4つの法則について理解を深めてもらえるよう説明していきました。

私たちも含め、犬たちの学習には4つの法則があります。

・好いことが起きて行動増える
・好いことなくなって行動減る

・嫌なこと起きて行動減る

・嫌なことなくなって行動増える

犬たちがとった行動の結果、好いことや嫌なことが起きたりなくなったりすることで、その行動は増えたり減ったりしていくというものです。

私たちが家庭犬の犬たちに行っていくトレーニングでは、主に「正の強化」と「負の弱化」を用いていきます。

私たちにとって好ましい行動には「正の強化」がおこるよう報酬を与えたり、犬たちが望んでいる機会を与えるようにしていき、好ましくない行動には「負の弱化」やここでは説明しませんが、「消去」がおこるよう報酬となるものを取り除いたり、その行動が報われないようにしていきます。

これを新米トレーナーの彼女たちに伝えたときに、彼女たちが教えてくれたのは、学校で教わった訓練は「正の弱化」だったということでした。

あまりにも吠えてうるさい犬に対し、先生が首の皮を持ち上げ犬をつるした状態で「うるさーい!!!」と大声で怒鳴るのだそうです。

それでも吠えがおさまらない場合は蹴り上げるのだとか。

生徒にも担当している犬が吠えたときには「叩きなさい」と指導されるのだそうです。

確かに学習の仕組みからいくと、嫌なことが起こる「正の弱化」は行動を減らす効果があると言えます。

でも、その犬たちの吠えは毎回のことで、いっこうに改善されていなかったのだそうです。

さて、ここに私たちが犬のトレーニングに「正の弱化」を積極的に使わない理由がここにあります。

■私たちが罰を与えない理由

嫌なことが起こるというのは要は罰を与えるということになるのですが、この罰は安心安全な関係性を破壊することに繋がります。

さらに罰は強弱やタイミングが難しく、的確にあたえることができなけれな慣れてしまいます。
その結果、どんどん強さを増していかなめればならなくなり、与える罰の強さはエスカレートしていくのです。

「先生がつるし上げて怒鳴ると収まるけれど、生徒だということを聞かなかった」

これも犬が先生と生徒との違いを学習していて(弁別)、力の強いと感じるものの言うことは聞いても、それを感じられない相手には言うことをきくメリットがないのできかないということが起こっています。

先生の言うことをきくのは恐れの感情がベースになっています。
恐れを回避するために言うことを聞いているのです。

力で教えられる物は結局力でしかなく、根本の問題は解決出来ないばかりか、現代の家庭犬と飼い主さんが求める信頼関係ベースの関わりとはギャップがあるように感じます。
まだまだテレビなどで、罰を使って犬の問題行動を改善するというものも多く紹介されているのも事実です。(その背後でどんな副作用が起こっているかまで追求する飼い主さんは少ないでしょう)

それでも時代の流れで、強制的な教え方や関わりが必要だった場面もたくさんあるので、なにが間違っているということではないのですが、これから動物病院で家庭犬の飼い主さんへアドバイスしていく彼女たちには、信頼関係を大切にした効果的で人道的な関わりを伝えていきながら、より良い暮らしのサポートをしてほしいと思うのでした。

お問い合わせ


シェアする

フォローする

この記事をお届けした
FULFILL DogTrainingの最新ニュース情報を、
いいねしてチェックしよう!