犬の「しつけ」ってなぁに?
「うちの子はしつけが良く出来ているから」
「うちの子はしつけがなってなくて・・・」
犬と暮らす飼い主がいう「しつけ」には様々な解釈があり、それは私たちドッグトレーナーのいう「しつけ」とは少々違いがあるようにも感じています。
今回はドッグトレーナーが考える、犬の「しつけ」とは?についてを説明していきたいと思います。
■①犬に人間社会、各家庭のルールを伝える。
犬たちはなにもしなければ、私たち人間社会のルールや家庭でのルールを知ることができません。
にもかかわらず、突然人間のルールを基準に叱られたり、私たちが望む行動を求められると当然ながら葛藤したり、ストレスを抱えたりします。
上手くそのルールが伝わらないと、飼い主も「一緒に暮らしづらい」と感じます。
犬と飼い主、お互いにとってそれは望んでいるHAPPYな状態ではないのですね。
これがお家の外で起こった時に、他人に迷惑をかけることになってしまったり、予期せぬトラブルを招いてしまうことにも繋がります。
家庭犬として暮らしている犬たちの迷惑行動は、犬の責任ではなく飼い主の責任で、犬嫌いな人をつくるのも、犬好きな人たちです。
家庭で犬と飼い主が穏やかに仲良く過ごせるようにということの他にも、地域で犬たちが迷惑をかけることなく受け入れてもらえるよう、ルールを教えることが「しつけ」の目的の一つです。
■②人間社会のあらゆる刺激に慣らし、社会性を育む。
私たち人間とは違う種である犬たちには、人間社会でストレスなく過ごしていくために慣らしてあげたいことがたくさんあります。
人間社会の様々なものに慣らすことを「社会化」と言いますが、この社会化をする目的は、様々な刺激に出会う時の犬たちのストレスを減らすだけではなく、その不安な感情を取り除いてあげることで、吠えや唸り、噛みつきなどの問題行動を防ぐことにも繋がります。
「社会化は心のワクチン」
という言葉があるくらい、犬たちにとっての穏やかで健康な心を育むためにとても重要なことです。
社会性のある犬たちは人間社会でも穏やかに過ごしていくことができ、それは犬の「しつけ」にとっても重要なことのひとつなのです。
■③飼い主との信頼関係を築く。
種の違う犬たちのことを私たちはどれだけ理解できているでしょうか?
犬の習性やボディランゲージを理解して、お互いに楽しみながら取り組むことができる。
これが最大の犬の「しつけ」の目的と考えます。
時代の変化とともに、今の犬と飼い主との関係に求められているものは、「主従関係」ではなく「パートナーシップ」です。
ここには「強制」から「共生」へという意味が含まれています。
犬の感情に配慮したトレーニング法は、犬に苦痛を与えずとも、犬たちが自ら飼い主のリーダーシップを感じられるものです。
「飼い主の言うことは聞かなければならない」
という考え方から、「飼い主の言うことを聞きたくてしかたない犬、飼い主の言うことを聞きたくなる関係性」に変化しています。
それは「訓練」という厳しさを感じる物ではなく、お互いが楽しみながら取り組めて、さらに犬と飼い主の関係性までも深めていけるというものです。
今の時代のドッグトレーニングは問題行動の改善のためにも、飼い主との関係性を整えることを重要視するものです。
・犬の嫌がることはしない
・苦手なことは少しずつ慣らす
こういった日々の関わりがとても需要なのです。
信頼関係を築くことは、犬の「しつけ」の目的の核になるところです。