吠える犬へ、仰向け抱っこのススメ。
他人や他犬を見ると興奮して吠えてしまう。
そんなお悩みを持つ飼い主さんは少なくありません。
他人や他犬と出会っても興奮せずにやり過ごせるように練習していくために有効な抱っこの仕方やその有用性についてご説明したいと思います。
■犬の興奮と姿勢の関係性
落ち込みながら上を向いている人がいないのと同じで、私たち人間と同じように犬たちにとっても姿勢と気持はとても関連性のあるものです。
リラックスした気持の時にはフセをしていたり、お腹を上に出して横たわっていたり。
気になる対象を見つけて前傾姿勢になっていたり、興奮から前足が浮いて飛び上がっていたりと、犬の気分と姿勢はとても大きくリンクしています。
なので私たちは特に、「オスワリ」や「フセ」の行動を意識的に教えていくことが有効であるとお伝えしています。
実は犬の姿勢だけでなく行動範囲の広さもまた、犬の興奮に大きく影響してきます。
リードの長さや過ごすスペースの広さなど、物理的な要因によって犬の興奮度合いに変化があります。
動ける範囲が広ければ広いほど、犬たちはどんどん動き回りながら自分で興奮した感情を納めることが難しくなるのです。
逆に動ける範囲が狭ければ、興奮しやすいシチュエーションでも落ち着いてやり過ごすことがしやすくなります。
■拘束に有効な「仰向け抱っこ」
人の膝の上に、犬を仰向けの姿勢で抱っこする方法があります。
私は「仰向け抱っこ」と呼んでいますが、興奮しやすい子のトレーニングをする時に、この姿勢はとても有効です。
例えば興奮のスイッチが入り、一旦気持をクールダウンさせてあげたいときや、他人や他犬に興奮しやすい子がその対象を見つけた時に落ち着いてやり過ごせるよう、慣らすときのはじめのステップとして、この仰向け抱っこの姿勢からはじめたりもします。
動ける範囲が狭ければ過度に興奮することなく、良い経験を積み重ねてあげることができるのです。
■拘束されることに慣れていますか?
拘束は犬の行動を管理するためにとても大切な取り組みのひとつです。
ただし行動の自由が奪われることから、やり方によっては犬にとって拘束されることが嫌いになってしまったり、恐怖を感じさせてしまうことにも繋がり安いので、練習する時にも配慮が必要です。
「人に身をゆだねることは良いこと」
「物事は早く諦めた方が得」
そんな風に学習できるよう、はじめはご褒美をこまめに与えながら取り組んであげたいのです。
興奮しやすい様々なシチュエーションに有効な拘束ですが、日々拘束されることに慣らしてあげることが一番大切です。
愛犬とのスキンシップの時間として、まったり取り組んでみてはいかがでしょうか。