犬のしつけ、いい子にしたいならこんなペットショップから買うな!ペットショップの嘘。
日々飼い主さまからしつけのご相談を受ける中で、私が話すアドバイスや情報に、飼い主さんが戸惑う場面が数多くあります。
購入時にペットショップの店員さんから言われたことと真逆の情報を伝えられることが多々あるからです。
日本は動物愛護先進国の中でも犬を飼う事へのハードルが低いです。
そのため飼い主が学ぶことの義務や飼育環境への規定などがなく、種の違う犬の情報を何も持たないままにペットショップで気軽に購入できてしまうというところに実は大きな問題が潜んでいます。
これは単に命を扱う物としての自覚や、動物たちに対しての尊厳などの事だけを問題視しているわけではなく、私はドッグトレーナーとして、そこに行動問題の火種があることをもっとお伝えしていかなければと思っています。
もっとわかりやすく言うならば、パピーの時期にどんな環境の中でどんな扱われ方をしたかによって、しつけ易さがまったく変わってくるのです。
私は個人的には、正しい知識を得て、「ペットショップ」と言われるところから仔犬を迎える方がいなくなってくれることを願っていますが、この負の循環を断ち切るために、中でもオススメしないペットショップの管理や現状をお伝えしなければと思っています。
ここでは「こんなペットショップからは買うな!」というテーマの元、犬の行動のプロではなく販売のプロである「ペットショップの嘘」もご紹介していきます。
■レギュラーサイズのトイレトレーを使っている
10数年この仕事をしていると、ここ青森の地域の中でも特にトイレトレーニングが難しい子たちを販売するペットショップがあるのを把握しています。
猫は高さ、犬は広さと言われるように、仔犬の時期であっても適切な行動を見につけられるためにはある程度のスペースが必要になります。
販売を目的としているペットショップでは、もちろん仔犬を陳列するスペースは最小限にした方が効率が良いのですが、それではその子たちの自然な行動や発達は難しくなってしまいます。
レギュラーサイズのトイレトレーを置いて仔犬を陳列しているところは、犬が正しくトイレを学習することができません。
にもかかわらず、狭いショーケースの中に半分はレギュラーのトイレトレー、もう半分には寝床のベッドやタオルを敷いているところがまだまだあります。
トイレトレーを設置せずに狭いケージの下に新聞紙を敷いて販売しているなんていうのは論外です。そうなると本来きれい好きで寝床を汚したくない習性をもつ犬たちでも、寝床とトイレを共有してしまう習慣を身につけることになります。
なので家庭に迎えた時に、正常な発達や成長をしてきた子に比べ格段にトイレトレーニングが難しくなるのです。
さらに販売する際に、レギュラーのトイレトレーを勧めて購入させようとするペットショップは知識不足です。
トイレトレーニングははじめは的当てゲームのようなもの。
的が大きければ成功率もあげることができますし、犬にとって排泄しやすい優しいサイズがあります。
体が大きくなる成長の大きさに合わせてトイレトレーを用意するのではなく、成功率が上がってきたからお家のスペースを考えて小さくしても良いという考え方が自然なのです。
私たちはレギュラーサイズのトイレトレーはどの犬種にもオススメしません。
ワイドサイズ以上のものをオススメしています。
ワイドサイズのさらに上のサイズに「スーパーワイドサイズ」というものがありますが、例えば小型犬のチワワであってもはじめにこのサイズを用意してあげることもあるほどです。
世のドッグトレーナーたちの多くは、トイレトレーのレギュラーサイズは、商品としていらないとさえ思っています。
■家庭犬だからお散歩はしなくてもいいですよ。出来る時にすればいいですよ。
残念なことに、未だにこう言って犬を買わせるペットショップがあります。
飼い主さんの知識不足につけ込んで、本来しっかりとアドバイスや飼育指導が必要な立場の人たちがこのように言ってしまうのですからどうしようもありません。
現代では本やネットで情報を集める人も多くいると思いますが、直接対面して動物を販売しているプロから言われる言葉は、飼い主さんとなるお客様にとっては聞き入れ安いものなのだと思います。
はっきりと言わせていただきますが、病気や問題行動の改善などの理由で制限がある場合を除けば、お散歩が必要のない犬なんていません。
お散歩は単に運動のためだけではなく、連れ出す飼い主との関係を構築する機会であり、社会の様々な物に慣れる社会化の機会であったり、匂い嗅ぎをすることは犬の欲求を満たすとても重要なことの一つです。
お散歩をしないことで生まれる問題行動へのリスクや、犬にとっての生活の質の低下を考えればそんなことは言えないはずなのですが、はやりペットショップの目的は販売なので、優先されるのは飼い主の手間をいかに少なく感じてもらえるかに偏っているのでしょう。
■親の気質が見えない
直接ブリーダーから購入できる状況とは違い、ペットショップにいる子犬たちの多くはこちらが親の気質を知ることができません。
氏と育ちといって、元々持っている気質と生まれた後の環境や関わりで形成される要素は3:7と言われています。
氏、元々持って生まれた気質が3割は影響するのです。
そしてその気質は父方の遺伝が優性であることが分かっています。
さらに妊娠中、母親がストレスの少ない環境で暮らしていたかということも、穏やかな子に成長してくれるかの大きな判断材料になります。
妊娠中どんな場所でどんな暮らしをしていたか、しっかりと見せてもらえるようなところから迎えられるというのはとても大きな価値です。
もしかすると目の前で今迎えようとしている仔犬の父親は、とても神経質な気質を持っているかもしれないですし、もしかすると目の前で迎えようとしている仔犬の母親は妊娠中に過度なストレスを受ける環境で過ごしていたかのしれないのです。
そうなると迎え入れた後に、こちらがいくら手をかけてしつけをしようとしても、攻撃性や極度な怖がりから問題行動が激しくでる可能性を秘めているのです。
■まとめ
冒頭でも言いましたが、私はペットショップから仔犬を迎えること自体オススメしません。
信頼できる優良なブリーダーか、地域の動物愛護センター、シェルターから迎え入れてほしいと思っています。
ですが、そううまくは行かない現状も分かっています。
100歩譲ってペットショップから迎えるとしても、私からしてみたらわざわざしつけに苦労するのが目に見えて分かっている場所から購入しないでほしいということをお伝えしたいのです。
それと同時に、正しい知識を持たずに利益だけを追いかけるようなペットビジネスは、発展していってほしくない。
青森に不幸な犬たちを増やしたくない。
そんな想いでいます。
すでにペットショップから購入してしまったという方はぜひその愛犬を生涯大切にしてあげてください。
犬も飼い主も、お互いに幸せに暮らせることが一番大切です。
そのためにしつけに困らないよう、必要な知識は学んでください。
しつけが上手くいかないからと飼育放棄などしないでください。
販売が最優先となってしまい満足な生活が得られない子たち、しつけに悩む飼い主さんを増やさないためにも、同じような事を繰り返さないでほしいのです。
もしこんな情報を知らない方がいれば、ぜひ教えてあげていただきたいと思います。
コメント
優良なブリーダーとは誰ですか?
だめなペットショップとはどこですか?
具体的(青森県内)に教えてください。
これからペットを飼う人にはためになるのでしょうが
既に飼っている人には不安を煽るだけです。
コメントいただきありがとうございます。
ブログを読んでいただき、感じられるものがありこうしてコメントいただけたことに、まずは感謝をお伝えいたします。
不安を煽るとのことしてたが、すでに飼っている人には今いる愛犬を大切に終生飼養してもらえればそれでいいと思っています。
ただ事実を知ったのであれば、そこからは不幸な動物たちのためにも同じ事を繰り返してほしくないという想いです。
さらにすでに飼っていてこの記事を読み、愛犬との関わりに不安を感じるのであれば、ぜひそれを解消するために犬の知識や犬との関わりについて学んでほしいと思っています。
問題なく過ごせているのであれば不安に感じることもないでしょうから。
私は種の違う動物と暮らすことが命を安易に扱うことに繋がってほしくはないという想いです。
ですが愛護センターへの持ち込み理由の1番に上がるのがしつけの問題です。
事前に様々な情報を得ることなく迎えられてしまうことはやはり問題視していますし、販売する側の間違った情報が原因になっていることも事実です。
人も犬も穏やかに幸せに暮らすせることが一番大切だと思っています。
私のクライエントさまにはもちろんお伝えしている内容ですから、ひろ様がお知りになりたければもちろんお伝えします。
誤解を招く可能性があるので、具体的な店舗名は公の場には乗せることは適切ではないと思っています。
ぜひ直接聞きにいらしてください。