叱ったり怒鳴ったり、罰を与えずに育てること。「しつけ」という都合のいい言葉

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叱ったり怒鳴ったり、罰を与えずに育てること。
「しつけ」という都合のいい言葉


■軽視してはいけない動物への暴力

最近特に、子どもや動物虐待などの悲しいニュースが後を絶ちませんね。

昔からあったことなのでしょうが、SNSやニュースなどへの露出が増えたことで、より問題が身近になってきているのを感じます。

動物虐待に関しては、日本は特に法改正が遅れていることで、他の先進国と比べると軽視されがちだったと思いますが、こうして問題が身近になった今、様々な人たちがアクションを起こしやすく、大きな力をも動かすことができるようになってきているように感じます。

動物虐待は軽視されて良いものではありません。

それは動物愛護や動物福祉の視点からだけでなく、人の福祉にも大きく影響することであるからです。

動物虐待と対人暴力や犯罪などは、とても密接な関連があります。

動物に暴力を振るう人は、人に対しても暴力を振るいやすいということが、すでに多くの研究から分かっています。

動物虐待を放置することは、対人暴力への発展を放置することに繋がるのです。

さらに動物虐待を目撃したり、日常的に動物虐待が行われる環境に身を置くことで、精神的な苦痛やトラウマを与えるなどの悪影響があることもわかっています。

「動物のため」ということを超えて、それは人のため、地域のため、社会のためと繋がっているのです。

そのことの重大さを思えば、動物への暴力は今よりももっともっと言及されていかなければならないと思うのです。

■「しつけ」という都合の良い言葉

子どもやペットなどの動物に対して、叱ったり怒鳴ったり、暴力を与えることが、家庭や社会のルールを教えたり、育ちを見守ることには必要のないことだということを、はじめから知っている幸せな人もいるでしょう。

ですが日本人のほとんどの人は、学んだり情報に触れる機会がなく、そのような考え方を持っていないのではないでしょうか。

他人への迷惑や、身の安全を守ることなど、罰を使う事に対して、「しつけ」という都合の良い言葉を盾に、当たり前のようにおこなわれてしまっているかもしれません。

特に関わる側に余裕がなければ、感情にまかせてその場しのぎの罰が与えられてしまうということも、珍しいことではないと思います。

私も、まだ幼い子どもの親であり、まだまだ遊び盛りのやんちゃな犬の飼い主です。

恐怖を伴う罰が与える悪影響や害を知っていても、滅多にはありませんが、時に強い口調になってしまうことはあります。(大きな声を出すことはありませんが逆に怖いかも。)
(報酬を与えることにも害はあるのですが、それはまた別の機会に。。。)

周りの目が気になるような、対応に困るような場面もあります。

定期的に学びの場に身を置いていてもそのようなことがあるのですから、情報を得る機会の少ない人たちにとっては日常茶飯事になってしまうことも容易に想像がつきます。

ですがそれは「この子のため」という、純粋な愛情から生まれる関わりでもあるというのが切ないところです。

効果のあるなしに関わらず、「しつけのために」という考え方は、罰を正当化させるためにも、とても都合の良い言葉です。

犬のしつけの世界でも、動物愛護家や一般の飼い主、またはプロの訓練士などから、「攻撃などの問題行動の激しい犬に対しては、体罰を使用することも仕方がない」と言われている現状があります。

本当はそんなことはなく、犬の問題の程度に左右されることなく、例外なく体罰を与えることをせず、問題が起らないを環境設定し、時間をかけて行動問題の改善のためにトレーニングを行うトレーナーは増えてきています。

私はドッグトレーナーの仕事をしていながら、「しつけ」という言葉にも実は違和感を感じているのは、この強制的な一方方向の関わりを問題視しているからです。

■知識とトレーニングが必要

では、罰を与える必要なく育ちをサポートしていくためには、どんなことが必要なのでしょうか?

良くない関わりをやめることを意識するだけでなく、その変わりとなる関わり方や考え方が必要です。

それらは新たに学び直していく必要があります。

子育てに関しても、犬育てに関しても、現代は容易に情報を取りに行ける時代です。

ですがいろいろな情報に触れていると、混乱してしまうことや一貫性がなく結局また罰に頼ってしまうということも少なくないと思います。

特にスキルや手法にこだわるとそういうことに陥りやすいと感じています。

スキルや手法はもちろん大切ですし、考え方を変えていくための足がかりにはなりますが、はじめに大切にしたい軸をしっかりと持てるようになることが理想的だと思います。

そのためにはネットや本などの情報だけではなく、実際に人と対面しながら定期的に学びの機会を持つことが一番と考えています。

これまでの関わりの習慣というのはとても大きく染みついているものです。

一挙に変わることは難しくても、タマネギの薄皮を剥いでいくように、少しずつ少しずつ、考え方や行動や日々の関わりは変化していきます。

その先に、「叱ったり怒鳴ったり、罰を与えずに育てる」という誰もが理想とする関わりが実現できるのではないでしょうか。

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