殺処分ゼロは実現できるのか。野良犬と野犬。

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殺処分ゼロは実現できるのか。野良犬と野犬。

犬猫を中心とした動物の保護活動をされている方の多くが、この「殺処分ゼロ」という言葉を掲げ活動していますが、中には人の福祉や社会との折り合いをつけながら活動することができない、過激な言動が目立つ動物愛護団体や動物愛護家の方も多く存在するように感じます。

それによって一般家庭で飼育できる気質ではない、難しい犬の引き出し、譲渡などで出戻りや事故など、行き場を失う子たちを新たに生んでしまうばかりか、人の安全や福祉が保たれていない現状もあるのです。

これは社会的にとても危険で重大なことです。

命を大切にしたいという思いがあるのであれば、それは動物たちだけではなく、動物たちに関わる人たちや社会のこと、全てを相互に思いやれる責任ある活動が必要だと思うのです。


■野良犬と野犬

「現代は野良犬はほとんどいなくなった」

私が専門学校を卒業した10年前はそんなことが一般的に言われていて、私も「そうなんだ~」と人の管理下にない犬たちはいなくなったと思っていた時期がありました。

でもどう考えてもおかしい。

動物愛護センターでの殺処分は相変わらず行われているし、その全てが飼い主の持ち込みではないという現状。

これはいったいどういうことなのでしょう。

迷子や明らかに捨てられたような状況の子たちで、元々は人と暮らしていた子たちが、しばらく放浪していた犬のことを野良犬というのだそうです。

元々は家庭犬だった犬たちが3代に渡って野生下で交配しつづけると、すっかり人とのコミュニケーションがとれない気質になることが分かっています。

もはや野良犬とは呼べない、野生の犬たちのことを野犬といいます。

青森県でもコロニーと呼ばれる野犬の群れがいくつか存在していることがわかっています。

この野犬たちは保護されたとしても、人のお世話を受け入れることが難しく、当然恐怖からの攻撃行動も出やすいのです。

もちろん私も、野良犬も野犬も命の尊さに違いなどないと思っています。

しかし、動物の命を尊重するのと同時に、私たちは人の暮らしの安全や人の福祉、社会のことを考えなければなりません。

しっかりと、社会事情を含めた動物愛護について学び、さらに日本と世界の動物愛護先進国との現状の違いなどを理解し学び続けた上で、必要な情報発信や活動をして行かなければならないと思うのです。

安易に「かわいそう」という感情だけではどうにもできないこと、それでもどうにかしていかなければならないこと、本当の意味での人と動物との共生のために取り組まなければならないこと。

様々にありますが、本当に動物たちの命を大切にしたいのであれば、同時に人の福祉や社会のことを尊重できなければならないのです。

■殺処分ゼロの裏側

数年前に殺処分ゼロを達成したと報道された地域がありますが、その時もその近隣の県ではその地域から引き出され譲渡された犬たちが咬傷事故を起こし殺処分されていたという話は、この業界の中では割と知られている事実です。

本来保護された犬たちは、愛護センターでメディカルチェックとキャラクターチェックを受け、譲渡対象に出来るかどうかを慎重に判断されます。

しかし、殺処分ゼロを目指すとなった時点で、どんな攻撃性がある犬でも、どんな病気があり痛みや苦しみを感じている犬でも、その命を繋ぐことが最優先となってしまうのです。

それは誰にとって都合の良いことなのでしょうか。

少しシャイな性格だけれども、愛情をかけて根気強く関われば一般家庭で暮らすことができる犬と、人も犬もお互い危険と隣り合わせで、いつもお互いに怯えながら関わらなければならない、一切気の休まらない最低限のただ生きるということだけが守られるような犬とは、同じように考えることはできないということです。

動物たちは一歩間違うと、人の命を奪ってしまうことのできるとても強い力を持った存在です。

実際に悲しい事故がたくさんあるのですから。

病気に対しても同じです。
責任ある安楽死というのは動物愛護先進国では当然のようになされています。

動物たちの苦しみや痛みを治療によって取り除いてあげることができないのであれば、それも動物たちの事を思う大切な判断なのだということ。

もちろんフィラリアや改善の見込みのある病気は積極的な治療やケアで、一般家庭でも幸せに暮らしていけるという判断はできるのですが、一般譲渡対象の子たちの未来を繋ぐことも難しい現状の中、なかなかそこまでいたれていないというところです。

なので様々にこの業界の中で見て聞いて、活動してきた私の個人的な意見としては、現時点では「殺処分ゼロ」は目指すべきものではないと思っています。

人に危害を加える可能性のある攻撃的な犬を引き出して、一般家庭に譲渡するなどということは絶対にあってはならないと思っています。

それよりも、飼育放棄される犬たちをなくすべく、今家庭犬として暮らしている子たちが、飼い主さんの元で生涯幸せに過ごせることを目指すこと。

ペットショップではなく、信頼できる優良なブリーダーから引き取ったり、シェルターや愛護センターから一般譲渡の対象となった子たちを家庭に迎え入れる選択を伝えていくこと。

愛護センターに保護され、フィラリア陽性と診断された子でも、一般家庭で暮らしていける気質を持った子にはチャンスを与えられること。

さらに青森県は狩猟犬が多く捨てられています。
狩りに使えなくなった犬たちが、そのまま捨てられるようなこともどうにかならないのかといつももどかしく思います。

とても地道なことですし、個人の力だけでどうこうできることでもないのですが、本当の意味での動物愛護、人との共生を考えられる人たちと繋がり合いながら、協力しながらできることをしていきたいと思っています。

ぜひ動物たちのためにと思うのであれば、感情だけで情報を発信したり動くのではなく、動物たちをとりまく様々なことについて学んでいただきたいと思うのです。

まずは愛する我が子のために、一緒に穏やかに幸せに暮らすための情報を得るところから。。。

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