奈都子さん来青!!
「思春期までに伝えたい!親子のための恋愛性教育講座」@青森レポ
先日開催された青森での渡邊奈都子さんの6年ぶりの講演。
奈都子さんは一般社団法人ウェルビーイング心理教育アカデミーの理事で様々な分野で活躍する講師の先生です。
全国で熱望されている講座、でも忙しい奈都子さんなので現在はなかなか開催されていない貴重な講座でもあります。
専門学校や高校、中学校で生徒達や先生、保護者に向けて伝えてきた、人間関係形成モデルの性教育。
多くの若者たちの幸せな恋愛や結婚、夫婦のパートナーシップをより良いものにするためのとても貴重な情報でした。
■性教育モデルのあり方と課題
時代の変化にともない、学校などの教育現場での性教育のあり方も変化して来ている中で、現代の性教育のモデルをご紹介いただきました。
男女の性差や生命の誕生、身体的側面からの性への理解を啓発する「生物学的モデル」。
性交渉における性感染やHIVなどの影響や予防について啓発する「公衆衛生モデル」。
必要な情報ではありますが、「感染すると怖い!中絶って怖い!人生をダメにする!」という脅し的なメッセージが含まれるため、伝える大人と受ける子ども達との信頼関係は離れてしまうということもあるのだそうです。
今回奈都子さんからご紹介いただいたのは、それらとはまったく違う切り口で、自らが願っている人間関係を形成するために、性交渉がどんな風に影響を与えるのかという「愛情と信頼」をテーマにした「人間関係形成モデル」です。
これは子ども達にとって、無意味に傷つかず傷つけない幸せな恋愛や信頼関係を築くことの情報を与えるので、幸せな結婚への確かなサポートになるばかりか、伝える大人と受ける子どもとの絆を深めることにも役立つとても上質な情報です。
専門学校の生徒達に「もっと早く聞きたかった」と言われた講座。
高校生たちに「もっと早く聞きたかった」と言われた講座。
中学生たちに「親たちに聞かせたい」と言われた講座。
私は以前も奈都子さんのパートナーシップの講座(通称ラブラブセミナー)を受講したことがありますが、今回は独身時代とは違った親という視点で聞けたことを本当にありがたく感じました。
■思春期の子ども達に伝わる「性教育」のポイント。
奈都子さんの伝える性教育では、「心」「身体」「時間」という3つの視点や関係からの人間関係の形成を伝ています。
①心と身体の関係
②身体と時間の関係
③心と時間の関係
心と身体の関係では、選択理路心理学の欲求の説明を交えながら、性交渉が与える心の変化についてを説明してくれました。
友情や思いやりは「愛・所属の欲求」が源となっています。
大切な人と良い関係で一緒にいたいと願う欲求です。
一方「スキンシップ・性欲」をつかさどっている欲求は「生存の欲求」。
だから「セックスすること=大切にしている」ではないということ。
恋愛やパートナーシップから欲求を見たとき、愛・所属の欲求が「責任」や「理性」だとしたら、生存の欲求は「自己中心的」「不安定」という要素を持っていることを伝えてくれました。
そして愛・所属の欲求は心理的欲求なので、生存の欲求よりも優位性が高いということも紹介してくれていました。
本当に大切にしたいと願うならば、愛・所属の欲求がつかさどる「友情や思いやり」を優先した行動を選択できることをメッセージしてくれているのです。
次に身体と時間の関係を扱う中でであった質問「恋と愛には違いがあるとおもいますか?」
生徒達にも同じ質問をするそうです。
いろいろな答えを出してくれるそうですが、ここで伝えられたのは、恋はすぐに出来て、偶発的でコントロールできない。
愛は育てるのに時間がかかり、努力的で生産的で維持できるものだということでした。
ここで専門学校の生徒に対して行ったアンケートからのデータを紹介していただきました。
性交渉を持ったことがあると応えた生徒達への質問で、「性交渉を持ったことで信頼関係が深まったか」というような質問と、「性交渉を持った相手を信用できないと感じるか」というような質問のデータでした。
驚くことに若い学生の子たちでも、性交渉を持つことが信頼関係を築くことに繋がると思っていないこと、性交渉を持ったことで相手を信頼できなくなってしまったということを感じながら悩んだりしているのです。
若い子たちもちゃんと分かっています。感じています。
でも、具体的な良いパートナーシップの築き方を知らないがために、みんな悩み傷つき傷つけ大切にしたいはずの関係を破壊してしまっているのです。
それが大きく人生を狂わせてしまうことだってあります。
紹介された離婚率のデータで、離婚率が最も高い世代が10代です。
この時期に結婚する理由があるとすれば妊娠。
全てがそうとは限りませんが、大切にしたい人との人間関係を上手に育むことができないがゆえに望んでいたことが得られない子たちがたくさんいるのだそうです。
そして最後に心と時間の関係。
知り合ってから関係が近くなって行くにつれてどんな手順で進んでいくのかという情報をシェアしてくれました。
目~身体
目~目
声~声
手~手
腕~肩
腕~腰
手~髪
・
・
・
性器~性器
ここで重要だった情報は一度進んでしまった関係から戻ってドキドキ感を感じることは難しいということ。
1回目のデートで手をつなぎ、2回目のデートでキスをしたとします。
3回目のデートで手を繋ぐことも、キスをすることもなかっく帰ってきたとしたらどんな風に感じますか?
「嫌われちゃったかな?なにか悪い子としたかな?」
そんな不安も感じることになります。
早急に進んでしまった関係だと、信頼は育ちにくいのです。
そして、その手前の段階ではドキドキや満足ができなくなってしまう。
であればできるだけ長く信頼関係を育んでいくために、「声と声」の段階で良くお互いを知り合い、関係を育むことに時間を費やした方が、大切な人との関係を長く続ける助けになるのです。
この話を奈都子さんからきいた生徒さんたちは、大切にしたい人とのデートについて、良い報告をしてくれるのだそうです(*^_^*)
私も若いときに知っていればもっと相手も自分も大切にできたかもしれないな~とおもいつつ、過去があるから今があって全て最善だったと振り返ります。
そのほかにも関係構築のためのクオリティタイムについての紹介がありました。
信頼関係を築いていくデートの仕方にはいくつかの特徴があります。
どの恋人も楽しむデートですが、どんな内容で楽しんでいるかがとても重要なのです。
お互いに楽しめて、努力のいる活動。
ゲームよりもスポーツ、映画よりも遊園地、外食よりも料理。
ある意味どんなデートをしているかで、そのカップルが長続きするかどうかが分かっちゃいますね!!
これは夫婦関係にも言えること。
改めて夫婦でのクオリティータイムについて考えてみたいと思います。
■より良い親子関係を作る4つの秘訣
性教育について伝える前に、どんな親子関係を築いているかがとても重要だと教えていただきました。
良い親子関係のために大切にしたい4つのこと。
①子どもの意見を尊重する
「ダメ!」と言う前に「あなたはどう思う?」を聞ける様に意識して行きたいと思います。
②誠実に向き合う
なにか間違ったことをしてしまったら素直に謝ること。
「ちょっと言い過ぎたね」
親も間違うし完璧ではないけれど、誠実に向き合う想いがあることを伝えていきたいと思います。
③人生の喜びを表現する
「今日こんな良かったことがあったんだよ!」
人生はなかなか良いもんだ。
そう思ってもらえるようにまずは私たち大人が人生に喜びを見つけ表現していきたいですね。
④夫婦仲良くする
「ありがとう」「大丈夫?」「いってらっしゃい・おかえりなさい」
当たり前を少しだけ丁寧に。
子育ての要はより良い夫婦関係。
将来パパやママにたいな結婚がしたい。
そう思ってもらえることが最高の教育なのではないかと思います。
たくさんの言葉や情報の中に、奈都子さんの参加者のパパママたちを思う気持ちや子ども達を思う気持が感じられる、愛情たっぷりの講座となりました。
私は比較的涙腺緩いタイプではありますが、感動して涙してしまったほどです。
お忙し奈都子さんなので、全国で熱望されているこの講座ですが、なかなか開催する機会もないようです。
東京開催ですら調整中とのこと。
今回青森でこのような機会を持っていただいた事に本当に感謝でいっぱいです。
大好きなあこがれの奈都子さんを満喫できたので、これからの家族づくりに役立てていこうと思います。